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  陸奥のリーダーのつぶやきNo2 主砲はハイテクの塊

主砲は鉄の塊でなくハイテクの塊

2014年10月28日をもって、陸奥の会からの譲渡申請に対し「船の科学館」側から正式に譲渡承認の解答を得ることができました。今後は移設のための費用の捻出が重要になってきます。

2014102801.jpg左の写真は、船の科学館に展示されている、今回移設しようとしている陸奥の主砲であります。単なる鉄の塊ではないか、鉄の塊を里帰りさせるのに何も大金を使う必要があるのか、なんで大騒ぎしているのか、とのご指摘もあると思います。しかし、単なる鉄の塊ではありません。

この主砲の口径(内部の直径)は41センチもあります。ちなみに大和の主砲は46センチありました。陸奥主砲の砲弾は1トンもあります。このような砲弾を約36km(横須賀から横浜付近まで)飛ばすわけです。その火薬の爆発力は半端ではありません、砲身はこの爆発力に耐えなければなりません。2014102801.png図のように砲身は4層からなっています。1層目の内筒を、2層目の内筒に埋め込み、焼刃目をします。その外側をワイヤーで巻いていき3層目はワイヤー層となります。そして4層目の砲尾外筒と砲口外筒を装着して完成です。簡単に書きましたがこの間26工程の作業があるそうです。

このように、陸奥の主砲は先人たちの知恵と技術の賜物であります。これらの技術を支えてきたのは、「江戸の刀鍛冶等の匠のノウハウと西洋の技術の融合」であったかもしれません、また「この技術は戦後の日本の近代産業を支えてきた」との思いを強くしています。陸奥の主砲の里帰りは、単なる軍事オタクの話でもなければ、回顧趣味でもありません。天然資源の少ない日本の資源は「高度な技術力を支える人」なのではないでしょうか。少しでも技術立国日本を支える若者の励みになればと思っています。一度廃棄されてしまえば元に戻りません、皆様のご理解と、ご支援を切に願うものであります。なお募金活動は来年秋頃まで実施し、そののち2016年には移設の工事に入りたいと思っています。




陸奥の主砲を80年ぶりに横須賀に里帰りを目指します。